巡りあう才能 2006 − 2022 Destined Encounters vol. 4

参加アーティストを数回にわけてご紹介してまいります。

大槻素子|Motoko Otsuki

On The Table(05-22 One Morning)
2022, キャンバスに油彩 oil on canvas 35.8 x 46.1 cm

1979年 東京生まれ
     ニューヨークと東京の二拠点を行き来しながら制作を続けている

     Born 1979 Tokyo, Japan
     Lives and works in New York and Tokyo

◆ステイトメント
散りばめられた日常の風景。

私達がただスマホで撮り続ける風景は、確かにそこに存在するものであり、どこかで見た遠い記憶のようでもある。いつかのパーティ、視界の端に映る飛行機、ある日の朝食、それらの風景と対峙するうちに、視覚と感情がないまぜになり、浮かび上がる新たな情景は、とらえどころのない空虚感とともに、私たちの存在を不安定にさせていく。

fragments of everyday studded. the scenery that we just keep taking with our smartphone distant memory certainly exists there, and it seems to be a directly memory that we saw somewhere. someday party, an airplane moving in the corner of the field of vision, one morning, as we confront the landscape, the sight and emotions become a mixture, and the new scene that emerges destabilizes our existence with an elusive feeling of emptiness.

On The Table(01-22 Butter)
2022, キャンバスに油彩 oil on canvas 46.1 x 56.4 cm

吉岡雅哉 | Masaya Yoshioka

お月見 Moon Viewing
2011, キャンバスに油彩 oil on canvas 72.7 x 91 cm

1981年 兵庫県生まれ
     Born 1981 Hyogo, Japan

◆作品や制作について
満月の夜には密かな楽しみがありました。幼少の頃でした。車や人通りの少ない道路脇にはきまって車の中で若い男女が逢瀬を楽しんでいました。月明かりの下でシルエットに浮かんでは消え、車がゆらゆらと揺れるたびにひどく興奮をおぼえました。翌朝、現場近くには汚れたティッシュや何やら散乱しているのを尻目に、小学生たちが集団登校していきました。僕だけが昨晩の出来事を知っていたのでした。

見えたままの景色や固有のイメージはとても脆弱で、移ろいやすくまた危険なものでした。深層の、心に深く感じたことや傷心は鎖にぐるぐる巻きにされたようにこびりついて煩悶し、凌駕し、そのたびに絵にしたくて描きたくて仕方ありませんでした。

生きていることと死んでいることにはそんなに違いはないと幼少の頃から思っていました。男も女も全ては見えない力、見えない糸のようなもので繋がっていて、時を越えて生者も死者も絶え間なく交信し合うのだと感じるのです。

◆展覧会歴
2006「TADANORI YOKOO ALWAYS展」横尾忠則の公開講座に参加(西脇市岡之山美術館 兵庫) 同2007

主な個展
2004 「吉岡雅哉絵画展」(櫻画廊 兵庫)
2006 「nonfiction」(アートサロンロロ 兵庫)
2007 「ひかりのあるところへ」 (VOICE GALLERY 京都)
    「深夜のおつかい」(Tree House gallery 兵庫)
    「コンビニ畑にテレビっ子」(トーキョーワンダーサイト本郷 東京)
2008 「吉岡雅哉遺作展」(Tree House gallery 兵庫)
2009 「吉岡雅哉展」(トーキョーワンダーウォール都庁 東京)
2011 「庭いじり」(Galerie Sho Contemporary Art  東京)
2013 「吉岡雅哉展」(イナミーヒルズ 兵庫)  同2015, 2017, 2018, 2020, 2021

主な展覧会
2006 「創作に取り組む人・人展」(西脇市岡之山美術館 兵庫)
    「朝展 それぞれのその後展」(あさご芸術の森美術館 兵庫)
2006 「トーキョーワンダーウォール公募2006」(東京都現代美術館 東京)
    「シェル美術賞展2006」蔵屋美香審査員奨励賞 (代官山ヒルサイドフォーラム 東京)
2007 – 2008 トーキョーワンダーウォール賞
2007 「美術館講座参加作家によるひとり一人の作品競演展」
     (西脇市岡之山美術館 兵庫)    
    「WONDER SEEDS 2006」(トーキョーワンダーサイト渋谷 東京)
    「WONDER SEEDS 2007」(トーキョーワンダーサイト渋谷 東京)
    「新・公募展2007」(広島市現代美術館 広島)
「For Rent! For Talent! 3」(三菱地所アルティアム 福岡)
    「シンジュク アート インフィニティ Vol.3」
     (旧マルイシティ新宿仮囲い 東京)
2008 「WONDER SEEDS 2008」(トーキョーワンダーサイト渋谷 東京)
    「群馬青年ビエンナーレ2008」(群馬県立近代美術館 群馬)
2009 「SCOPE  Miami  International Art Show」アメリカ
「Galerie Sho Projects 8人の新、アーティスト展」(Galerie Sho Contemporary Art  東京)
2010 「TAGBOAT AWARD」(ターナーギャラリー 東京)
「Galerie Sho Projects だいたい2畳の週替わり展」(Galerie Sho Contemporary Art  東京)
「ART HK」香港
2013   「ナンセンス 2013 展」(ディクショナリー倶楽部 東京)
    「ART PICNIC おっぱい展」(ディクショナリー倶楽部 東京)
2014 「PINK TOKYO 2014」(ディファ有明 東京)
2015 「イナミーヒルズ 2015 展」(イナミ‐ヒルズ 兵庫) 同2017, 2019, 2021

思春期
2022, キャンバスに油彩
 oil on canvas 27 x 22 cm