Reality and Virtuality アーティストのご紹介 vol.2

参加アーティストを数回にわけてご紹介してまいります。

佐藤ブライアン勝彦 | Katsuhiko Brian Sato

Covid-19 Diptych - Childhood self-portrait foreseeing the COVID-19 and inside the Wuhan Institute of Virology, 30 x 30 cm diptych, acrylic on canvas
Covid-19 Diptych コロナを予見する幼少期のセルフポートレイトと武漢ウイルス研究所の内部 2021
30 x 30 cm 2枚セット, キャンバスにアクリル絵具

東日本震災時は実質的な被害以外に、臆面もなく内面にある独善的な正義を他人へ曝け出す姿に落胆驚愕したものだった。
コロナ禍も同じ様子でネットにはワクチンの有効性や陰謀論、他者への攻撃など、侃侃諤諤の様を呈している。
しかしながら自然は、人の営みが制限された為か空は蒼く澄み(私の幼少時代の空の色だった)風も心地よく鳥達の声も心なしか弾んでいる様に感じられた。
3.11後に製作した作品は実体験から派生したポリティカルなものが多かったが、今般のコロナでは混乱する渦から少しだけ身を遠ざけて夜中にアトリエで、こっそり斜に構えた作品を描いていた。

そして常に作品に現れる褐色女性も混沌とした世になると私の前から姿を隠してしまうようだ。

ブライアン

アーティストページ

赤西千夏 | Chika Akanishi

wolf cut, 50 x 50 cm, oil on canvas
wolf cut 2021, 50 x 50 cm, キャンバスに油彩

◆経歴
女子美術大学専攻卒業
ゲンロン新芸術校第6期修了

https://www.instagram.com/franmany6/

◆アーティスト・ステイトメントより一部抜粋
私が描く絵に登場する者は過剰な装いで性別が隠れた単に美しいものだと思っている。

私はヴィジュアル系と括られるミュージシャンたちの装いから着想を得て絵画制作をしている。ヴィジュアル系バンドマンは派手な化粧と衣装で過剰に着飾っているのが特徴だ。彼らはほとんどの場合身体は男性であるが過剰装飾によって見た目の性別は曖昧となり社会の性的役割から逸脱し、時には人間からも遠くなったような美しい外見をしている。

この世界は誰かが作った規範的な人物のイメージが蔓延している。それに合わせて自分を矯正しなければいけないと思い込んだ私は一度自分自身を消してしまった。誰かの視線を内面化し自らを平均化しようとする中で失っていったものを今の冷静になった視点で見つめ姿形を形成しなおしている。

全文はこちらから

津田みなみ | Minami Tsuda

虚像に関する考察, 2021, 60.6 x 60.6 cm, キャンバスに油彩とアクリル絵具
虚像に関する考察 2021, 60.6 x 60.6 cm, キャンバスに油彩とアクリル絵具

経歴
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業。同大学大学院絵画専攻油画研究領域に在学中。
東京を中心に活動中。絵画を中心にしつつ、様々なメディアを用いて表現をしている。

https://tautdmnm.wixsite.com/tsudaminamiportfolio

作品について
虚像に関する考察
私は「建築物と肉体の関係性」について考え制作する。この作品は、鏡に映った肉体はそっくりそのまま建築に佇む生きた私の肉体を映すけれど、その姿が映る物体は建築に付随するものの表面に存在する虚像なのだ、そんなことを考えながら描いた。

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