フィリップ・コルバート
Philip Colbert

PROFILE

フィリップ・コルバートのエネルギッシュな作品は、ポップアートや美術史に対する新しいアプローチによって、世界中のギャラリーや美術館で国際的な評価を得ています。

コルバートの作品に見られるカートゥーンのロブスターは、彼の分身のようなものです。これは、サルバドール・ダリの《ロブスターの電話》に着想を得たものであり、自らがロブスターの分身になることで、シュールレアリズム的構想をポップアートの領域に昇華させていく事を基本コンセプトとしています。コルバートは、「ロブスターになったとき、私はアーティストになった」と発言しています。

作品には大衆文化的なシンボルがふんだんに取り込まれ、それらはポップに描かれていますが、その見た目とは裏腹に、描かれる題材は歴史画に基づいており、このような点で、作品は美術史の文脈に連なっています。ここでのコルバートの狙いは、デジタル文化や大衆文化といった最新のものと、歴史画や現代美術理論などの美術史的なものを作品内で関係づけ、それらを探究することにあります。

このような特徴から、彼はしばしば「アンディ・ウォーホルのゴッドソン」と呼ばれ、チャールズ・サーチやサイモン・デ・ピューリーなどのアート界の人物からは、コンテンポラリー・ポップの巨匠として称賛されてきました。

コルバートは、2017年よりロンドンのサーチ・ギャラリーでの個展を皮切りに本格的に画家としての活動を開始し、東京、上海、ソウル、香港、台北とわずか数年の間に大規模な展覧会をハイペースで開催してきました。その後ヨーロッパ諸国や北米でも、さらに規模を拡大して展示を続けています。

2021年には、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリーで開催された展示と連動する形で、インターネットの仮想空間上に、ロブスターポリスと名付けられた架空の都市を作り上げました。一連の活動について彼は以下のように発言しています。

「NFTの台頭により、デジタルアートのムーブメントは今や大きな波となっており、非常に多くの新しいアイデアが実現可能になりました。これほどまでに芸術的な可能性を根本的に変えることができた世代はかつてなかったとい言えます。」

コルバートはその後も、現実における展示と並行して仮想空間上のプラットフォームや、ビデオゲームを通じて作品を精力的に発表しています。仮想空間でのこうした活動もまた、彼の作品制作の展開を追う上では重要な要素です。

BIOGRAPHY

1979 スコットランド生まれ
セント・アンドリュース大学 哲学修士号取得

PAST EXHIBITIONS

個展(抜粋):
2025 「Coastal Fantasia」マカオ文化センター マカオ(中国)
2025 「PHILIP COLBERT」tHE GALLERY OMOTESANDO 東京
2024 「The Battle for Lobsterpolis」Saatchi Gallery ロンドン
2024 「The Myth of the Lobster Planet」K11 Art Mall(K11購物芸術中心瀋陽)香港
2024 「Journey to the Lobster Planet」Whitestone Gallery シンガポール
2024 「House of the Lobster」国立考古学博物館 ナポリ(イタリア)
2023 「Journey to the Lobster Planet Taipei」Whitestone Gallery 台北(中国)
2023 「House of the Lobster – from Pompeii to Venice」Patricia Low Contemporary ヴェニス(イタリア)
2023 「The Lobster Empire in Treviso」21 Gallery トレビーゾ (イタリア)
2023 「Lobsteropolis, Pearl Lam Galleries」M5 Gallery 東京
2023 「Singapore Art Week 2023」Saatchi Gallery シンガポール
2022 「Journey to the Lobster Planet」軽井沢ニュー・アート・ミュージアム 軽井沢(日本)
2022 「Dreams of Lobsteropolis」Pearl Lam Galleries 上海
2022 「The Lobster Empire in Rome」サン・サルヴァトーレ博物館 ラウロ(ローマ)
2022 「The Lobster Empire in Rome」Via Veneto ローマ(イタリア)
2022 「Lobstars in Saint Paul de Vence」De Buck Gallery サン=ポール=ド=ヴァンス(フランス)
2022 「Lobster Wonderland」長沙国際金融中心 長沙(中国)
2022 「Lobstars in Venice」Venis Hotel ヴェニス(イタリア)
2021 「Collaboration Paintings +」Sho+1 東京
2021 「Lobster Land」Sejong Museum of Art ソウル
2020 「Lobsterpolis」Saatchi Gallery ロンドン
2020 「Lobster Land」Whitestone Gallery 台北
2020 「Lobster Land」Patricia Low Contemporary グシュタード(スイス)
2020 「Lobster Land」Structura Gallery ソフィア(ブルガリア)
2019 「Lobster Land」Multimedia Art Museum モスクワ (ロシア)
2019 「Lobster Land」Gallery Simon ソウル
2019 「Hunt Paintings」Saatchi Gallery ロサンゼルス
2019 「Hunt Paintings」Saatchi Gallery ロンドン
2018 「New Paintings」日動画廊銀座本店 東京 2017 「New Paintings」Saatchi Gallery ロンドン

グループ展(抜粋):
2025 「Faces 顔にまつわる表現」Sho+1 東京
2025 「ART FAIR TOKYO 19」Sho+1 東京
2024 「ART FAIR TOKYO 2024」Sho+1 東京
2023 「artKYOTO」Sho+1 京都
2022 「art stage OSAKA」Sho+1 大阪
2022 「空即是色 Illusion of Reality」銀座 蔦屋書店FOAM CONTEMPORARY東京
2022 「ART FAIR TOKYO 2022」Sho+1 東京
2021 「ART FAIR TOKYO 2021」Sho+1 東京
2020 「artTNZ」Sho+1 東京
2019 「ART FAIR TOKYO 2019」Sho+1 東京 2018 「Wavelength」Powerlong Museum 上海