グループ展「MADE IN AMERICA」

2026年4月14日(火) – 5月9日(土)
12:00 – 18:00
/ 日・月・祝休廊

Yarrow Slaps
MODESTY (HARRIET TUBMAN’S GRAND MOTHER), 2020
91.4 × 91.4 cm, acrylic and mixed media on canvas
David Krueger
Going Back to College, 2022
61.5 × 46.1cm, acrylic and marker on canvas

Sho+1では、2026年4月14日(火)から2026年5月9日(土)まで、グループ展 「MADE IN AMERICA」 を開催いたします。

近年、価値観や構造が揺らぎ、再編されつつある現在、「アメリカ製」という概念もまた、その輪郭を問い直されつつあります。本展「MADE IN AMERICA」は、このような時代背景を静かに踏まえながら「純粋にアメリカ製とは何か」という問いへ立ち返る試みです。
現代のアメリカにおいて制作された作品を通して、その意味を多角的に再考します。

本展では、多様なジャンルと自由な表現形態を横断しながら、アメリカ人アーティストによる作品に焦点を当てます。それぞれの制作の根底には、個々の経験や関心に基づく実践があり、彼らは必ずしも「アメリカ」を主題としているわけではありません。むしろ、その内省や文化的関心の中で制作が行われることによって、作品の中に異なるかたちの「アメリカ」が自然に立ち現れています。それらは一つの像に収束するものではなく、人によって異なる、統一されないアメリカの姿として浮かび上がります。

Sho+1はこれまで、ポップ・アートを中心にアメリカ美術と向き合ってきました。その継続的な取り組みは「アメリカ」という文化的概念を外部から捉え直す視点を育んできました。
距離を持つことで見えてくる複数のアメリカ像。本展はその延長線上において、現代の作家たちそれぞれの実践の中に現れる「アメリカ」を浮かび上がらせる場となります。

「MADE IN AMERICA」という言葉が、単なる生産地の表示を超え、現代におけるアメリカの在り方そのものを問い返す契機となる本展を、ぜひご高覧ください。

展示作家

カリン・キャンベル
1962年 米国カリフォルニア州サンディエゴ生まれ
テンプル大学Tyler School of Art修士号、ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン学士号取得

カリン・キャンベルは、ニューヨーク州ブルックリンを拠点に活動するアーティストで、感情や思考がどのように身体を通して現れるのかを主題とした作品を発表しています。キャンベルが描くどこか奇妙な人物像は、滑稽でありながら同時に悲劇的で、エロティックな側面も併せ持っています。鮮やかな色彩は濁りを帯びた層の上や下に重ねられ、私たちが抑え込もうとする羞恥、怒り、愛、欲望、そして内に潜む感情の揺らぎが描き出されます。
これまでにMoMA PS1、ホイットニー美術館、クイーンズ美術館などで作品を発表しています。

Website : https://www.karincampbell.com/

シンシア・ディニョー
1978年 米国メリーランド州ボルチモア生まれ
スタンフォード大学Art and Art History学士号取得

シンシア・ディニョーの作風は視覚的な写実主義へ重きを置くよりはむしろアイデアと感情に傾倒したものから成り立っています。シンシアは光と時間と共に過ごし、普遍性を求めて闘ってきました。彼女が彩色した対象は具象化された詩となり、雑誌ニューヨーカーでは詩人のような画家と呼ばれています。そしてしばしば彼女の作品は抽象と造形の狭間に位置付けられています。
彼女の作品は、White Columns, FLAG Art Foundation, Rowhouse Projectと言った様々な機関での個展やメトロポリタン美術館、MASS MoCA、デンバー現代美術館、フォートワースモダン、ブルックリン美術館等のグループ展でも衆目を集めて来ました。そしてメトロポリタン美術館をはじめ、ウォーカー・アート・センター、ボルチモア美術館、ブラントン美術館など、数多くの公共コレクションに収蔵されています。

Website : http://www.cynthiadaignault.com/
Instagram : @cynthia_daignault

ダンカン・ハンナ
1952年−2022年 米国ミネソタ州ミネアポリス生まれ
パーソンズ・スクール・オブ・デザイン卒業

ハンナは画家、コラージュ作家、ドラフトマン、そして作家として、ニューヨーク州ブルックリンとコネチカット州コーンウォールを拠点に活動し、2022年に逝去するまでに世界各地で70回以上の個展を開催しました。2011年にはジョン・サイモン・グッゲンハイム記念財団フェローシップを受賞しています。2017年から2018年にかけては、ニューヨーク近代美術館における大規模展「Club 57: Film, Performance, and Art in the East Village, 1978–1983」にも参加しました。ハンナの作品は、「The Times Square Show」(1980年)、「New York/New Wave」(P.S.1、1981年)、「The Club 57 Show」(ニューヨーク近代美術館、2018年)などに出品され、1970年代の記録をまとめた日記『Twentieth Century Boy』は、2018年にKnopf社、2019年にVintage社、2021年にRowohlt社(ベルリン)より刊行されています。現在、ハンナの作品はシカゴ美術館、メトロポリタン美術館(ニューヨーク)、ホイットニー美術館、ミネアポリス美術館などの主要コレクションに収蔵されています。

ローワン・ハウ
1997年 米国メリーランド州ボルチモア生まれ
テキサス大学オースティン校美術学修士号、シカゴ美術館附属美術大学美術学士号取得

ローワン・ハウは、イリノイ州シカゴで育ち、現在はテキサス州オースティンを拠点に活動するビジュアルアーティストです。若い女性、時代遅れの室内空間、そして霞んだ風景といったイメージを通して、彼女の作品は大衆メディアと実体験の双方における「性的に規定された自己」に焦点を当てています。不穏さを帯びた主題は、自己形成のぎこちなさを捉えると同時に、真の感情と美化された記憶とのあいだに潜む不安を掘り起こそうとするものです。これまでにテキサスにおいて個展およびグループ展を開催しており、作品はDallas Art FairやNADA New Yorkでも展示されました。

Website : https://www.rowan-howe.com/
Instagram : @rowan_eh

デイヴィッド・クルーガー
1962年 米国イリノイ州シカゴ生まれ

デイヴィッド・クルーガーは無限の熱意と想像力を携え、人生のすべてに挑んでいます。
ポップ・カルチャーと物語性に深く影響され、クルーガーの作品は記号と鮮やかな色彩、グラフィカルな形、詳細化されたパターンに満ち溢れています。彼の幾何学的な表現方法はキャンバスを水平帯に見立て、物語のようにセクション分けし、漫画のカット割りを思い起こさせてくれます。線と線の間にクルーガーは星、ジグザグ、正方形、十字記号、X記号、放射線のような複雑かつ装飾的要素を取り入れます。
クルーガーの作品はUntitled Art Fair(マイアミ)やOutsider Art Fair(ニューヨーク)でも展示されました。また、アーティストのベン・マーカスと継続的に共同制作を行っており、「ラブ・マン」というキャラクターを題材にしたコミックを制作しています。

Instagram : @davidraykrueger

レベッカ(ベッキー)・クビカ
1988年 米国イリノイ州生まれ

個人的な経験や幻想をもとに、人物を中心とした物語的なイメージを描きます。友人や家族、映画に登場する架空のキャラクターなどを取り入れながら、ポーズや表情を綿密に構成し、独自のナラティブを形成しています。制作においては、最終作品に取り掛かる前に緻密なスケッチを重ね、構図を構築します。画面には角度のある形態が緊密に組み合わされ、高彩度の色彩によるパッチワーク状の背景が特徴的に現れます。「これはうまくできるし、一番好きで、自分の感覚そのものなの。」
彼女の作品は、ウクライナン・インスティテュート・オブ・モダン・アートで展示されているほか、各種プロモーション資料やArts of Lifeの2020年カレンダーにも掲載されています。

マット・マコーミック
1987年 米国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ

マット・マコーミックの作品は、文化的記憶と物質的現前性の交差点において展開され、アメリカ西部に残された痕跡を、きわめて個人的でありながらも広く共鳴する視覚言語へと凝縮しています。絵画、ドローイング、ミクストメディアを横断しながら、その実践は歴史的神話と現代の残骸とのあいだに横たわる緊張関係を行き来し、カウボーイ、ハイウェイ、ハリウッドの夢想といったイメージが、経験された生のテクスチャの中へと溶解されていきます。彼の作品はノスタルジアに抗し、アメリカ的神話を直線的な歴史としてではなく、矛盾が交錯する場として捉え、探究を続けています。ロサンゼルスおよびニューヨークを拠点に活動しており、これまでにニューヨーク、パリ、香港、マイアミ、ロンドン、ロサンゼルス、東京、アスペン、サンフランシスコにおいて個展およびグループ展を開催しています。

Website : https://www.mattrmccormick.com/
Instagram : @mattrmccormick

ロブ・プルイット
1964年 米国ワシントンD.C.生まれ

ロブ・プルイットは、ニューヨークを拠点に活動するアーティストで、1990年代初頭以来、国際的に作品を発表してきました。プルイットの作品は、ポップ・カルチャーの領域をシュールかつ華美に解釈したものであり、現代という時代の多面的な側面やパラドックスを探りながら、大衆文化を万華鏡のように映し出しています。彼の制作は、物議を醸した《コカイン・ビュッフェ》、パンダを描いたグリッターのキャンバス作品から、大統領在任中の1日ごとに1点ずつ制作された全2,922点に及ぶオバマ大統領の肖像画、ニューヨークのユニオン・スクエアに設置された、クロームメッキが施されたアンディ・ウォーホル像《アンディ・モニュメント》、さらには個人的および社会的な出来事を記録した日々のInstagramカレンダーに至るまで、多岐にわたっています。

Website : https://www.robpruitt.com/

ジョナサン・セリガ―
1955年 米国ニューヨーク州ブルックリン生まれ
ニューヨーク州立大学ビングハンプトン校学士号取得

ジョナサン・セリガーは、日常のオブジェクトに対する敬意を持ち、ポップ・アートにおける典型的な価値観や手法をしっかりと丁寧に体現しています。彼の精緻な制作技法は、1960年代にアメリカ西海岸で生まれた「フィニッシュ・フェティッシュ」ムーブメント(*)を想起させるとともに、ポストモダンにおけるシミュラークル(模造品)への関心も反映しています。大学卒業後、美術批評やフリーランスのキュレーターとしてアート業界でのキャリアをスタートさせました。1980年代後半には、ニューヨークのギャラリーでディレクターとしてアーティストをサポートしていました。その後日常生活に存在する様々なモチーフを、高い再現性で再構築するコンセプチュアル・アーティストに転身しました。有名ブランドのショッピング・バッグ、中華料理のテイクアウト用の容器、電球、ミルクカートンなどにポップ・アートのエッセンスを盛り込んだセリガーのアイコニックな作品は、シンプルでわかりやすいのが特徴です。

(*)「フィニッシュ・フェティッシュ」ムーブメント
一般的に仕上げフェチと呼ばれ、「非常に滑らかで光沢のある仕上がり(フィニッシュ)」にこだわった作品を特徴とする。アクリル、合成樹脂やファイバーグラスなどの工業用素材を用いて、光沢のある表面のものを作り上げる。

Website : https://www.jonathanseliger.com/
Instagram : @seligerjonathan

ヤーロウ・スラップス
1990年 米国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ

ヤロウ・スラップスは、アーティスト兼キュレーターとして、絵画制作から映画や料理本制作まで幅広いマルチメディア・プロジェクトで活動しています。彼は多くの人が見下しがちな人々の肖像を描き、それを崇高で穏やかな姿として表現します。自身の絵画やドローイングを通じて、彼は人々の持つポジティブな面や良い側面を示そうとしています。人種、階級、アイデンティティといったテーマを織り交ぜながらも、彼の絵画は、現代の都市環境における社会状況に言及しつつ、どこか遊び心のある軽やかな魅力を備えています。これまでに主にサンフランシスコ、ロサンゼルスにおいて個展およびグループ展を開催しており、作品はNADA Miamiでも展示されました。

Website : https://www.yarrowslapsart.com/
Instagram : @yarrowslaps

アリエ
1995年 米国イリノイ州ノースショア生まれ

唯一無二のビジョンとファッションへの情熱をもって、Ariéeの作品にはオートクチュールへの言及が豊かに盛り込まれ、そこに若々しいポップカルチャーのアイコンが織り交ぜられています。彼女の構図は、ハイカルチャーとローカルチャーの意外な並置から物語を紡ぎ出しています。Ariéeは完全な集中力と自信をもって制作に取り組み、構図のバランスを巧みに整えながら、デザインを際立たせるための熟慮された余白を保つべく節度ある表現を行っています。鮮やかな色彩に表れる明確な遊び心は、彼女のイメージが持つ魅惑性と機能的に拮抗しています。

Instagram : @ariagabrielle34

Rowan Howe
Explorer, 2025
36 × 20.8 cm, watercolor pencil and gouache
Rob Pruitt
World of Pandas, 2013
142.4 x 112.2 cm, acrylic and enamel on canvas
Cynthia Daignault
Bibliography (Hiroshi Sugimoto), 2024
38.1 × 63.5cm, oil on linen