fusengirl
付箋girl
付箋girlは、付箋紙に1日1枚、架空の人物の顔を丹念に描いています。そこにはハイライトや影の線など、繊細なタッチの重なりが見られると同時に、背景を一色で塗り潰すなど、画面全体を鮮やかに見せるような大胆さも見受けられます。このような繊細さと大胆さの対比がコントラストを生み出し、結果として画面全体の引き締まりを生んでいます。作品に強いインパクトを与えつつも、感情やストーリーがより際立つ効果が生まれているのです。
2020年1月1日から一日一枚、付箋紙に架空の人物を描いてSNS投稿を続けています。彼女が描く人物絵は不特定の “どこかの誰か” です。
付箋girlは作品にArtist Signと共に制作年月日を記します。
ある日の投稿では「その日、そこには、その人が存在した」という言葉を作品に添えていました。アーティストは付箋に描く人物絵、ひとりひとりに生命を吹き込んでいるのです。
アンディ・ウォーホルはかつて、ポラロイドカメラを日常的に使用し、被写体の瞬間を捉える方法を好みました。依頼主のために何十枚も撮影し、その中から最適な4点を選ぶというプロセスは、彼のアート制作の一部であり作品の制作において重要な要素でした。
両者の制作のプロセスの共通点は、時間や空間の制約を感じさせることです。しかしながら、ウォーホルのポートレートの無機質な画面構成とは異なり、付箋girlの作品には感情的な強さや視覚的なインパクトを持たせる要素が含まれています。
また7.5cmの正方形の付箋紙に描き込むスタイルは、アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインの作品をアプロプリエートするリチャード・ペティボンの、極小の画面にイメージを展開するスタイルと共通点があります。
付箋girlの作品にはサインと共に必ず日付が記入されています。コンセプチュアル・アートの分野で知られる河原温(かわら・おん)は代表作「Today Series(日付絵画)」において、日付とその日の新聞をセットにして時間の流れと記録自体を作品としていましたが、付箋紙に日付を記入することにより、時間の流れや変化を意識的に捉えるという自由な発想は、河原の試みに共鳴する部分を感じさせます。
日付を入れることで、作品が「その日」の感情や出来事を反映していることを強調し、観る者に「今」という瞬間を感じさせることができるのだと思います。
SNSを通じて多くのファンに共有されている付箋girlの作品は、単なる視覚的な美しさだけでなく、日々の感情の移り変わりを視覚的に表現することで、観る者に共感や新たな視点を提供しています。
そして、日本画のバックグラウンドを支えに、ウォーホルやポップアートの精神を引き継ぎながら、日本的な視点を持つ現代的な試みを探求しているといえるでしょう。
WORKS
BIOGRAPHY
東京藝術大学 絵画科日本画大学院修了
2020年1月1日から一日一枚、付箋紙に架空の人物を描いてSNS投稿を続けている。
PAST EXHIBITIONS
2022年10月 3331 ART FAIR / 3331 Arts Chiyoda(東京)
2022年3月 アートフェア東京 / 東京国際フォーラム(東京)
2022年6月 アートステージ大阪 / 堂島リバーフォーラム(大阪)
2023年3月 アートフェア東京 / 東京国際フォーラム(東京)
2023年7月 Sho+1 & +DA.YO.NE. 共同プロジェクト「付箋girl®︎ × 安藤しづか 二人展「moment」/ Sho+1(東京)
2023年10月 Art Collaboration Kyoto(ACK)/国立京都国際会館(京都)
2025年2月 個展「記憶の合唱」/ Sho+1(東京)
2025年3月 アートフェア東京 / 東京国際フォーラム(東京)
ARTIST’S SNS
「付箋girl」は、株式会社RoKuの登録商標です。