クララ・デジレ
不朽の女神
2021年10月19日(火) - 11月20日(土)
12:00 - 18:00
日・月・祝 休廊
Sho+1では10月19日よりClara Desire (クララ・デジレ)の個展「不朽の女神 Muse Incorruptible」を開催いたします。
クララ・デジレはグラフィティ・アートの流れを踏襲するフランスのアーティストであり、抽象ストリート・アートの先駆者、フューチュラ2000(アメリカ)に多大な影響を受け、画家としてのキャリアをスタートしました。抽象表現主義やアンフォルメル・ムーブメントがそうであったように、ストリート・アートはシュールレアリズム宣言の生みの親であるアンドレ・ブルトンが提唱した「オートマティスム」の思想に強く影響を受けています。
デジレは、彼女が愛してやまないコミック・キャラクターと共に「オートマティスム的手法」を試みるかのごとく、思いつく言葉をランダムに書きなぐっていきます。またジャン=ミッシェル・バスキアの原始的な制作スタイルを取り入れて、独特の世界観を創出しています。
今回の個展に向けて、アーティスト自身が2002年に1年間日本に滞在した経験から「日本を想う」をテーマに ”FEEL JAPAN” を意識した内容構成で34点の作品を制作しました。
展覧会のタイトルとなる「不朽の女神」とは彼女自身であり、2007年開催の日本での初個展以来の新作発表となります。
是非この機会にご高覧頂ければ幸いです。
本展「不朽の女神」展に寄せて
私は “女神に変装すること” そして ”女神を演じる” ことに魅了されている
ギリシャ神話の中で、芸術家は女神を崇拝することで強いインスピレーションを与えられ、同時に神の魂に取り憑かれていきます。芸術家は神の導きによって自由な創造の力を手にし「描くこと」「塗ること」を容易にするのです。私はこのような疑似体験を欲し ”私の中の女神” を誕生させることにしました。
– 不朽の女神の誕生 –
自分自身が変装をするように、また演じるように誕生させた女神は、時には魔法使いと化します。作品の中で描く日本の漫画に登場するヒーロー達に特別な力を与え、作品世界を自在に操らせます。この魔法は、私が傾倒する漫画シリーズに新たな解釈と自由な発想を与えるという試みであり、私にキメラの世界、魔界、スリルに満ち溢れた宇宙世界の創造を可能にしてくれました。また、私が使う色、象徴として描くもの、ランダムに記した書体は、全ての作品に共通する表現方法であり、架空の人物たちのキャラクター性をより際立たせるでしょう。
私は ”女神” の中に入り込んだように ”女神” を装ったことで、芸術家としての創造力が大いに掻き立てられました。ギリシャ神話に登場する芸術家のように創造の魂に従属し、神秘的なヒーローを創り上げ、自分の手がおのずと描き、塗り続けることに成功したのです。まるで、神に導かれているように。
今回の展覧会は、私の中に – 朽ちることのない永遠の女神 – を誕生させる契機となりました。私は女神を演じ、閃きを与えられ、芸術的実行者となり得たのです。
ファンタジックな世界を創造することを可能にしてくれた「不朽の女神」に感謝しています。
クララ・デジレ 2021年10月、フランス